第36回 北海道日本ハムファイターズ 杉谷拳士選手 2009年09月28日
帝京高校では森本(日本ハム)選手以来の1年生のショーとストップとして3季連続甲子園出場。2年夏の佐賀北戦で見せたセカンド上原との連携プレーは伝説に。
※セカンド上原がセンターよりの打球を捕るとグラブで杉谷にバックトス。杉谷がファーストへ送球し走者はOUT。
卒業後、日本ハムファイターズに入団。今年ルーキーとしてプロの舞台で元気に頑張っている杉谷選手にお話をうかがってきました。
プロに入って
スタッフ(以下「ス」) 少しやせましたか??
杉谷選手(以下「杉」) 高校の時に77キロが今は70キロあるかないかですね。プロに入って1年目ということもあり、精神的なものが凄いですね。
やじが凄いんですよ。「この前、東京都大会があるから出直してこい!」って言われました。(笑)自分、高校の時だと「絶対打つから来いよ!」と友達を一杯呼んでいたんですよ。でも今は呼ばないですね。「今度いつあるの?」と聞かれてもいや試合ないよいって言ってしまう。やっぱ自分が活躍できなかったらいやですから。友達からは色々メールが来るんですけどね。
「ス」 今、そういう経験は初めてですか?
「杉」 野球を始めてから初めてですね。でも入ってきた時にレベルの高さを感じましたね。まずは基礎ができていないなって思いました。
「ス」 課題としては?
「杉」 基礎の収得ですね。徹底的に基礎をやります。野球が全然違うんですうよ。
金属バットと木バットでは。僕は高校の時は守備をうりにしていたはずなのに、プロに入ってから「アレ?」というのが多くて、高校の時の方が上手かったんじゃないかぐらいの気持ちです。
帝京はグランドが人工芝じゃないですか。(東東京の)第一シードだと神宮球場でやるので、ノックもほとんど人工芝だったんです。僕もいつのまにか人工芝に慣れてました。いざ土のグランドでやると全然取れない。キャンプでも改めて自分のレベルの低さを痛感しました。
「ス」 具体的には?
「杉」 動きが違うというか。。。人工芝だと勢いで捕れますが、土だと勢いでは捕れない。はじいたりポロポロしたりしてしまいます。
「ス」 今日の練習を拝見していたら中継の練習から、ゴロの握り替えまで基礎の練習が中心のメニューですね。
「杉」 1,2年はかかると思います。その間、少しずつ試合にはださせてもらっていますけど。
「ス」 もう200打席ぐらいプロの打席に立たれていますね。
「杉」 あ、もうそんなに立っているんですね。率は217ですか!僕は絶対2割は斬りたくないんですよ。中村さんが1年目に250ぐらいだったのでその下ぐらいはキープしたいですね。僕は三振が少ないんですよ。僕は高校時代から早打ちなんで。でも力負けする事は多々ありますね。今の課題は守備・走塁・打撃です。
「ス」 毎日学ぶことが多いですね。
「杉」 毎日が勉強です。プロになって、とにかくやらなくてはならないという気持ちになっています。目の前にある課題を一つ一つクリアしていかなくてはいけないです。
高校時代
「杉」 夏は関東一に敗退しましたが、関東一も選抜で負け、春の都大会で負けて、これいけるなって思っていました。僕に油断がありました。
初回に自分でヒットを打って、点をとって「あれ、これコールドいけるんじゃないかな?」と思っていました。それがずるずるいって逆転されて、高島を投入して、その高島もアップアップで、いつの間にかサラっと負けていました。もう、めちゃくちゃショックでしたね。
最後の春夏を逃した時は自分がキャプテンで「何をやっているのだろう?」という気持ちですよ。
しかも秋は早実に逆転負けをくらいました。あの時、7回裏、4対2になった時にベンチで誰かが「簡単に甲子園っていけるんじゃない?これで4期連続いけるでしょ」みたいなことを言ったんですよ。それが頭に凄く残っていて、誰か油断している奴がいるなって。
で、いつのまにかヶ逆転されて7対4になって負けました。試合後、監督から「お前ら、ベンチで油断していただろ。」と言われ、その時自分が引き締めなければいけない場面だなと反省しました。その時の場面が一番心に残っていますね。
「ス」 杉谷選手にとって甲子園とは?
「杉」 甲子園は行って当たり前、勝って、当たり前、次は甲子園で上位進出そして優勝。そんな感じにとらえていました。そこが油断だったのかもしれません。予選とかは全く考えていませんでした。新聞でも色々と取り上げられ、僕もふわふわしていました。勘違いしていたのかもしれません。
「ス」 気を付けていれば改善できる部分だけに、心の隙が敗因とするならばそれはめちゃくちゃ心残りですよね。
「杉」 秋の大会も7回に一度円陣を組んで気を引き締めようかどうか迷ったんですよ。でも大丈夫だろうって思って、グランドに出て逆転を食らったんで。めちゃくちゃ心残りですね。
「ス」 森君(早実)に打たれた時ですね。
「杉」 あの時も蒲田のサインがスライダーかストレートかあいまいだったんですよ。一回タイムを取ろうかなと思ったのですが、高島なら大丈夫だろうと思ってそのままやった時にガーンと打たれてこれは自分の責任だと思いました。
「ス」 試合の中で気付くべき伏線は何度もあったんですね。
「杉」 そうなんですよ。あったんですよ。勝つ流れもあったんですよ。中村さんだったらタイムをかけたりして色々して、流れを変えていたんでしょうけど、僕はそういう面で欠けていたのかもしれません。必死になって、結局、周りが全然見えていなかったのかもしれません。
「ス」 なるほど、いろいろな伏線があり、ある意味あの試合は負けるべくして負けた感じですね。
「杉」 そうですね。実力がなかったですね。
「ス」 でもそういう意味ではいい経験をしたのでは?
「杉」 そうですね。ま、プロの世界では下手くそなんで、とにかく練習ですね。今自分がやらなければいけない事は分かっているので。今をしっかりと練習しないといけない。とにかく今を大切に過ごしています。
杉谷選手の将来像
「ス」 将来的に目指す選手像は?
「杉」 巨人の木村拓也選手みたいになりたいですね。僕は長くプレーしたいと思っています。後は口で。(笑)
「ス」 スイッチは高3の冬からですよね。
「杉」 そうですね。選抜に出場できないのでプロにアピールするチャンスがなかった事と、右で中途半端に20本ぐらいHRを打ってもこの身体じゃ認められないなと思ったのがきっかけです。たまたま足があったので監督に相談して、スイッチにしました。左にしたらポカスカポコスカ打つようになって、左でも長打も出るようになりました。サイクルヒットも達成したんですよ。ただ夏に4回戦で負けたのでアピールする場が全然なかったです。夏は2試合しかやっていません。だけど僕は最後の試合、左で3本打ちました。
「ス」 左はどうやって練習したの?
「杉」 (練習の)量をめちゃくちゃこなしました。後はちょうど中村さんや本間さんのビデオがあったのでそのビデオを見ながら、練習しました。今、左で長打を打てるかというと全然打てないですけど。(笑)とりあえずバットに当てるところから始めています。長打よりも左中間右中間に打てるバッターになりたいと思っています。
「ス」 なるほど。話をうかがっているとしっかりとなりたい選手像にむけてしっかりと計画をたてています。
「杉」 そうですね。僕はしっかりと計画を立てています。1年目は基礎とボールに慣れる事。2年目から体を大きくして、3年目からイースタンでもしっかりと内容のある凡打であったり打席を増やしていきたい。4年目で守備・走塁もそつなくミスのない選手になりたいです。4年目といったら、(進学組は)もう大学4年じゃないですか。5年目で勝負かけたいなと思っています。ただそれまでに生き残っていかなければならないです。
「ス」 プロはそれこそ毎年有望選手が入ってくる。
「杉」 そうですね。だから今は内野も外野もやっています。外野も難しいですね。ロングヒッターの打球の勢いが高校時代とは全然違います。
「ス」 今までの自分自身の経験を一度崩してからまた構築している段階なんですね。
「杉」 そうですね。また一からです。
「ス」 走塁は?
「杉」 高校時代と違って今は走塁でも余裕がないですね。いつ牽制がくる、と思っています。まったく余裕がないまま盗塁もスタートをきっているので。まだ時間がかかりそうです。
「ス」 将来的には率をのこせて走れる選手に?
「杉」 そうですね。まずは面白くしゃべれる元気のある選手になりたいです。そこに率も残せて、細かい、バントバスター等も完ぺきにして走れる選手になりたいですね。(笑)
高校生にメッセージ
「杉」 とりあえず、新チームになってもいずれ負ける時がくるので、その時に自分で何ができるのか。そこから冬の期間をどう過ごすのか。考える時間はあります。僕の場合はスイッチに転向しました。自分を見つめなおして、レベルの上がるように考えて練習をしていけば、プロとはいかなくても、高いレベルで野球ができるので向上心を忘れずに頑張ってほしいですね。
- 杉谷拳士選手
- 生年月日:1991年2月4日
- 出身地:東京都
- 帝京高校
1年夏から帝京高校のショートストップとして甲子園出場。春夏合わせて3回の甲子園を経験。3年時はキャプテンとしてチームを牽引。 - 2008年北海道日本ハムファイターズにドラフト6位で入団
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